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【コラム】心筋梗塞、認知症…これらの病気を防ぐ秘訣とは?(4)

コラム

こんにちは。埼玉県富士見市のスウェディッシュマッサージサロンMITSUKOの角森です。

心疾患予防とコレステロールの関係について、今日が最終回です。

昨日最後に紹介しました「灰本クリニック」の灰本先生によれば、そもそも「LDLコレステロール値」の良し悪しを判断するのであれば、心筋梗塞による死者数だけを見るのではなく総合的な健康リスクについて考察すべきだ、と仰っています。

デンマークでは、2020年、10万人について9年間全ての死因(癌、心筋梗塞、肺炎などなど)について追跡調査を行い、総死亡リスクが最も少ないLDLコレステロール値は140mg/dlだったそうです。

日本人についての調査結果(日本人の論文)を調べられたところ、男性ではLDLコレステロール値が100~180では死亡率は上昇せず、100未満で有意に高い。女性では120~180では上昇せず、120未満で有意に高いと。

この結果、男性で100~180、女性で120~180にすべきではないかと。そして、現状の基準値(米国の基準値そのままを適用)には、科学的根拠がないのだと。

また、医師で医療ジャーナリストの松村むつみさんは、東洋経済Onlineに、2021年2月28日に「コレステロールに一喜一憂しても意味がない」と題して寄稿。

日本におけるLDLコレステロールの基準として、人間ドック学会では、120~139mg/dlを軽度異常、140~179を要経過観察、180以上を要治療に。この数値は、平成30年度版「検診判定の指針(厚生労働省健康局)」とも合致しています。

これに対して、日本動脈硬化学会は、120~139を境界域高LDLコレステロール血症、140以上を高LDLコレステロール血症と定義。

これらに対して村松氏は、「適切なコレステロール値は人それぞれ」だと。米国心臓協会・心臓病学会では、コレステロール以外にも様々な影響因子があることを念頭に、「今後10年間、心筋梗塞などの病気のリスクがどれくらいあるのか」を考慮して、治療すべきかどうかを決める【計算式】があるのだと。

ここからはあくまでも私見ですが、村松氏の言われていることには合理性があります。確かにコレステロールだけを捉えて「いい・悪い」と言っても仕方がない。個人差もあり、色々な要因が影響してくるでしょう。しかし、基準値がないと健康維持のために何をどのように気を付けたらよいのか判断できません。

また、人間ドック学会と日本動脈硬化学会の言い争い、膨大なデータを解析した上での根拠(エビデンス)のある「人間ドック学会」に軍配を上げたいですね。また、米国人と日本人の違いを無視して、米国基準に従う根拠もない。事実、厚労省も人間ドック学会の基準値に沿った指針を出しています。

あくまでも、参考としてご覧いただければ幸いです。(完)

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