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【コラム】太極拳演舞服と龍神と。

コラム

太極拳の「服」には、私がこれまで見た限り、必ず龍の刺繡が入っています。

こんにちは。埼玉県富士見市のスウェディッシュマッサージサロンMITSUKOの角森です。

これまで何回か、私が太極拳を習っていることを書きました。

先日、ふと疑問が。なんで太極拳の「服」には、必ず龍の刺繡が入っているんだろう?

調べてみると、
「太極拳は中国武術であり、龍は、中国文化における力と威厳を表す重要な象徴だから」。
「龍は変貌自在な動きを見せ、天子(君主)を象徴する動物と考えられていること」。
「龍はキレイな水を吐き出す霊獣であり、天子(君主)が国の水源を確保し、雨露もバランスよい頻度になせるとされていることから、太極拳がバランスと調和を重視する哲学と一致するため」。

なんだそう。

そうすると、次に思い浮かぶのが、この服の「龍」と龍神様とは何か関係があるのだろうか?
「龍」は力と威厳の象徴。龍と君主を結びつけることで、民に君主の権力を知らしめていたのだと。

つまり、中国での考え方は、「龍 = 龍神」だったんですね。龍神は蛇のように長い胴体を持つ霊獣、霊力を持った守護神とされているそうです。
なので、太極拳の服に刺繍されている龍は、その力強さと威厳を象徴し、龍神の霊力と守護の意味も含んでいるそうです。

ここで、はて?日本にはいろいろな龍神伝説がありますが、そもそも龍神信仰の歴史ってどうなってるんだろう?

日本の「龍神信仰」は、古代中国から弥生時代後半に伝わったそうです。これは仏教の伝来に伴ったもの。

ところが、古代日本には、「龍神信仰」以前に「蛇神信仰」があり、蛇は再生と不老不死のシンボル。また豊穣の神とも。それは、蛇は水と関係のある生き物だと考えられていて、水の神とされていたから。
中国から伝わった龍は、生命の源である水と共通しているため、蛇神や水神は龍と同じとみなされたそうです。

ならば、中国仏教の元はインド仏教。ならばインドでは「龍神様」がいるの?となるわけですが、ナント、インドの神話には蛇神(ナーガ)。「龍」はいません。これにはビックリ!日本と同じ蛇やん!

ナーガは元々コブラなんだと。ところが、仏教がインドから中国へ伝わる過程で、蛇神ナーガは「竜」と翻訳されてしまい、中国の龍神信仰と合致したんだと。

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